研修航海の一日

 

研修航海の一日は,早く630に後部甲板に集まり,点呼・体操・掃除から始まります.ちなみに学生の申告によると「私と団長」はこの点呼に遅刻したことがないそうです.体操は,担当班のリードで行われます.時間の都合で,体操はカットされることがあります.最終日に体操をカットしようとすると「私たちの班は体操のリードをまだしていないので,カットしないでくれ」言われたことがありました.結構こういうことも楽しみにしているのだなと感じました.

朝日を浴びながら体操をします

後部甲板の掃除は,デッキブラシで磨くことと空き缶を海水で洗って潰すことが仕事になります.結構大変ですが,終わると達成感がしっかりわいてきます.そのあと食事です.食事は船の司厨部の方々が作ってくれます.飽きが来ないように,また,海況を考えてメニューを作成してくれます.大変美味しい食事で,食が進んでしまいます.

900から,英会話講座,洋上講座,予備調査,クラブ等の活動が行われます.今回は,このほかに「救命救急の訓練」も行いました.私を含めて,団役員の方々は消防署の方に来ていただいて,「救命救急の訓練」を予め日本で受けていましたが,学生にも船の中で,訓練を受けてもらいました.洋上講座は団役員の方々がそれぞれの専門に関するテーマを解説してくれます.興味深いテーマが多いので,講義に引き込まれてしまいます.船の方にも話をしてもらいました.タンカーに乗っているとき海賊に襲われたというチョッサーが話はとても興味深かったです.

洋上講座です

公式の活動が終わると,学生食堂や後部甲板でのんびりします.後部甲板で見る夕陽は,素晴らしいもので,水平線に日が沈んだ後に見える「グリーンフラッシュ」は一見の価値があります.こればかりは,船の上でしか見ることができません.今回はイルカの群れを1回見ましたが,運がよければ鯨も見ることができます.時間があるときは,船の方が引き縄を行ってくれて,鰹を釣ったりします.今回は,太平洋上で停止して,カップ麺の容器を深海まで潜らせることをしました.1時間くらいかけて容器を下ろし,引き上げると,小さくなったカップ麺の出来上がりとなります.船長の話では,カップ麺の容器を海の底に下ろす実験を創めたのは,望星丸が日本で最初とのことです.

りんごより小さくなったカップ麺の容器

夜,後部甲板に出ると降るような星空を見ることができます.南下して行くと,日本では見ることができない南半球の星を見ることができ,南まで来たことを実感できます.ひときわ目立つのが南十字星です.南十字星は十字の方向が常に南を示していることで,行きは常に艦首の方向に,帰りは艦尾の方向に見えました.ゆっくり動揺する船の上から見た星空は,忘れることができません.

造水機を利用して真水が作られますが,造水量以上使用すれば,あっという間に水不足です.船の方に前日の使用量を掲示してもらい,団員に節水をお願いしました.節水の成績は良好で,船の方からお褒めの言葉をいただきました.でも,かなりきわどい線をとっているので,私としてはひやひやの毎日でした.最適化問題の近似解を毎日求めさせらている気分でした.

 

次は,最初の寄港地ポンペイを紹介したいと思います.

 

 

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