清水港出港からポンペイまで

 

  10月初めから、今回の研修航海の参加者を募集し、106名の学生及び、13名の研修団役員の研修航海参加が決まりました。情報数理学科からは、土屋守正、川村歩さん、西山佳代子さん、山本佳代子さんが参加しました。

  12月20日(日)に湘南校舎でのオリエンテーション、2月15日(月)に三保研修館で事前研修と研修航海、及び船上生活のガイダンスを行い、2月17日(水)の出港となりました。松前総長をはじめとする多くの方々の見送りを受けて、我々は清水港を後にしました。出港では、蛍の光が流れ、汽笛が鳴ると言った別れのムードいっぱいでした。涙ぐんでいる人も多かったです。

 

清水港からの出航、蛍の光と汽笛に送り出されました

 

  出港後は船が揺れるとかなり脅されていたので、揺れを覚悟していたのですが、これが、ほとんど揺れませんでした。日本近海があまり荒れていなかったという幸運に恵まれていました。とは言うものの船酔いに苦しむ人もちらほらいました。

  グアム島沖を航行している時、柔らかくうねる鏡のような蒼い海や雲一つない水平線に沈む赤い夕日を見ました。これから何度もこのような光景を見ることができると思うと心が弾みました。

 

  

グアム島沖で見た赤い夕日

 

  海の上に浮かぶ雲の下に雨が降っているのがあちらこちらに見える日もありました。そんな中を望星丸は真っ直ぐにポンペイ島目指して進んでいました。望星丸はGPSを利用して航行しています。GPSは、ナビゲーションシステムで利用されています。衛星を利用したGPSで現在位置を求め、離散数学で紹介した最短路探索アルゴリズムを利用して目的地までの経路を表示するというのが車のナビゲーションシステムでしたが、海の上には特に障害物があるわけでないので、GPSで進む方向を修正しながら望星丸はポンペイ島へと進してくのです(ちなみに望星丸の船長は荒木直行さんです)。昔の球面三角法のような解析手段は、GPSのシステムの中にすでに組み込まれています。

 

  

 

赤道近くの無風地帯での鏡のような海

 

    次回は、初めての寄港地ポンペイについて報告します。マングローブの林を見たことや、ナンマドール遺跡を見に行った時の事件を紹介したいと思っています。

  最後に一言:船の上では、海を見ていただけでありません。船内では、朝の体操から始まって、洋上講座、予備調査の発表、洋上クラブ、各種会議、飲み会とやることが盛りだくさんでした。船内という限られたスペースと限られた機材を利用するので、毎日Job Scheduling問題を解いているような気がしました。

 

Topに戻る