フナフチ(228日(火))

 

地球温暖化の影響で,海面が上昇し,太平洋上の小さな島が沈んでしまうといわれています.その顕著な例がフナフチといわれています.そんな小さな島フナフチが次の寄港地です.

赤道祭の紹介の時に,海流の影響で船のスピードが出ていないといいましたが,赤道海流のおかげで,本当に船のスピードが出ないのです.あまりに遅いので,船長より「時間がないのでフナフチに寄港しなくてもいいですか」といわれました.0.005秒ほど考えて「30分でもいいので,必ず寄港してください」とお願いをしました.後で聞くと日本まで,フナフチへ寄らなくてもよいかとの問い合わせが行っていたようです.奇跡的に海が静かになったことやエンジンの出力を上げて頑張っていただいたおかげもあり,無事フナフチに到着できました.よかったです.

 

フナフチの島々

  港に入るときには,パイロットが乗船するのですが,フナフチでは,なかなかパイロットの乗った船が見つからず困ってしまいました.パイロットは釣りをしていたような感じでした.のんびりしたものです.

フナフチの人々によるダンス

 

  フナフチの港では,現地の方々によるダンスに参加させていただき,学生は現地の人とのダンスを楽しんでいました.2時間あまりしか時間がないので,大急ぎでの上陸です.銀行へ行って現地のお金を探したり,記念切手を学生は買ったりしていました.前回訪れたときには,きれいな記念コインがあったので,今回も記念コインを探したのですが,ないとのことでした.詳細に聞くと,オーストラリアドルを通貨として使用しているようで,前回はたまたま記念コイン発行があったという幸運に恵まれたためということが判りました.

  「海面上昇の影響が見られないな」などと思っていると,気づいたのが,海岸のサンゴがすべて,丸く角が取れていたことと,前回の見た椰子林が消え,浜辺になっていることです.どちらも,海岸侵食が大きいことを表していて,温暖化の顕著な影響と感じざるを得ませんでした.

  2時間という短い時間でしたが,学生は,記念切手やコインを買い,海水浴を楽しんでいました.1600にフナフチを出港し,次の島タヒチへと向かいました.日本に帰ってから,聞いたことですが,我々がフナフチに上陸した日は,大潮で,一年でもっとも海面の高い日でした.NHKが取材した番組を見ると大潮の影響で,島のあちらこちらで,海水が湧き上がってきて,島中が大洪水になっていました.(ちなみに当日はNHKが取材のために島にいたそうです.)時間的には,我々が出港した1600頃から海水が湧き出し,1800頃には収まったとのことです.そういえばと思い,出港直後にとった写真を見ると,海中から湧き上がってくる気泡の塊が映っていました.あんな風に海水が地表に湧きあがってくのかと,改めてそのすごさを感じました.その場にいるとパニックになったかもしれませんが,フナフチの島の上で,沸きあがってくる海水を見たかったと思いました.2時間という短い時間ではなく一晩は過ごしてみたかったというのが実感です.

椰子林の向こうは外洋です

次回は,研修航海の目的地タヒチについて紹介したいと思います.

 

 

第37回海外研修航海のトップページへ

 

タヒチへ