toto(サッカーくじ)はギャンブルか?

2003/04/15

東海大学理学部情報数理学科 鳥越規央

 totoはスポーツ振興投票券の通称で,文部科学省管轄の特殊法人である日本体育・ 学校健康センター (10月から独立行政法人になるそうです)の受託金融機関から依託された日本スポ ーツ振興くじ株式会社が発売している「くじ」であります.

このくじの約款の第1条には
「スポーツ振興投票は、スポーツの振興に寄与することを目的として行われるもの です」
とあります.つまりくじの収益金はスポーツの振興に役立てますよ,といってるの であります.

例えば,日本にある小学校,中学校のグラウンドに芝生を植えようという目標があ れば,それを達成するために この収益金が使われることでしょう.そう使われる事を信じています. (グラウンドに芝生を植える行為は地球温暖化軽減のためにも非常に役立ちます)

しかしこのtotoの売上が思わしくないとのこと. その理由の一つとして,「どこで売っているかがわからない」「買いたくても売って る場所が遠い(少ない)」 が挙げられると思います.(まぁ他にも「サッカーのルールがわからないから,どう 投票していいかわからない」 というのもあるでしょうが.) で,売り上げ拡大のためコンビニエンスストアなどでの販売も行いたいみたいですが, 文部科学省の最大の支援団体(?)の皆様が「コンビニなどで気軽に買えてしまう と,年令確認に不備をきたし, 子供達の射幸心をあおってしまうのでだめ!!」と反対なさっているため,思うよう に売り場が増えていないようです.

でも私はあえて問います.「toto はギャンブルなのか?」と.
もし,日本体育・学校健康センターが「スポーツ振興のためにお金が必要です.で も税金だけでは目的を遂行できそうにないです.ですからこの理念に賛同される方は 寄付をお願いします」と広報したとしてもtotoで得られるほどのお金は集まらないこ とでしょう.totoを売る事によって得られる収益金が本当にその目的を遂行するため に使われるのであれば,私は進んで寄付したいと思うのであります.(お金がないの でできませんが.)そう,totoはスポーツ振興に対する「寄付行為」だと考えるので あります.

その理由は,「高額当選確率が低いから」ということよりも 「期待値が少ない」ということにあります.

期待値とは確率変数Xに対し,
P(X=xi)=pi (i=1,2,…)
という確率が定義されていれば
E(X)=Σxi pi
これが期待値です.

例えば,50人が100円を出し合い,くじを行います.
1等:3000円分の商品券 (1本)
2等:1000円分の商品券 (2本)
他 :はずれ(0円相当)  (47本)
であるとき,その期待値は
3000×(1/50)+1000×(2/50)+0×(47/50)=100
となり,投資した分の期待値になるわけです.つまりこの場合は,投資された資金を すべて賞品として還元しているのであります.

ではtotoの期待値はいくらでしょうか.本来なら,当選金とその当選確率から計算す るのでしょうが, 実はある情報から期待値はわかるのです.約款の第12条に
「1口当たりの払戻金は、(中略)、売上金額の47%に相当する額を、」
とあります.これでお分かりですね.100円のtotoに対してその期待値は約47円 なのです. (実際には繰り越し金もあるので,これよりちょっと多くなることもある) つまり100円投資すれば,その見返りの平均が47円であるということ. あとの53円は寄付しているのと変わらないのです. 同じ理由で宝くじも自治体への寄付行為と考えています.

最後に,小学生,中学生,高校生,大学生がtoto を購入することができなくて良い と思ってます. なぜならこのくじは彼等が健全なる教育を受けるために,お金が潤沢な大人が寄付す るためのものだから. 彼等はその恩恵を受けるべき人たちです. 決して特殊法人が儲かるためのものであってはならないのです.