桑田先生が東海大学新聞にコラムを執筆
2019/03/27
東海大学新聞Web版に桑田先生が執筆したコラム「逆向きの風景を見る」(
郡敏昭著 『射影平面の幾何学』の紹介 )が掲載されました.
http://www.tokainewspress.com/view.php?i=11
2019/03/27
東海大学新聞Web版に桑田先生が執筆したコラム「逆向きの風景を見る」(
郡敏昭著 『射影平面の幾何学』の紹介 )が掲載されました.
http://www.tokainewspress.com/view.php?i=11
2010/07/01
東海大学理学部情報数理学科:土屋 守正
W杯南アフリカ大会で、FIFA ランク45位の日本がFIFAランク19位のカルーンや36位のデンマークを破りました。これは順位的にみて金星と言えるのでしょうか。金星とはもともと大相撲で平幕の力士が横綱を破ったときの言葉であり、ランキングの低いもの(平幕の力士)がランキングのトップ(横綱)を破ったことを意味しています。横綱から前頭筆頭までに横綱1名、大関4名、関脇2名、小結2名の合計9名がいるので、ランク的には1位と10位と9離れています。ランキングが10以上離れた相手との勝利はかなり価値があることと考えてよさそうと思えます。この点からするとカメルーン戦も、デンマーク戦もトップのチームを破ったわけではないので金星とは言えないと思えます。しかしながらランクの差をみるとかなり価値のある勝利と言えそうです。このように自分より強い相手に勝つと、感覚的にはFIFAランクが上昇するような気がします。いわゆる価値ある勝利はランキングに反映されているのか調べてみたくなりました。
現在のFIFAランクは、次のように過去4年間の各国代表の試合によるポイントより算出した値によって決定されています。(以下の計算式のデータはFIFA公式ホームページより)
直近4年間の国際試合のポイントより計算 4年を1年ごと4区画に分け
ここで試合のポイントは次のように計算される。
(M:試合の勝ち点)×(I:試合の重要性)×(T:対戦国間の強さ)×(C:大陸連盟間の強さ)×100
勝ち点(M) | 試合の重要性(I) | ||
勝利 | 3点 | 親善試合(小さな選手権を含む) | 1.0 |
PK戦による勝利 | 2点 | FIFA Wカップ予選, 大陸選手権の予選 | 2.5 |
PK戦による負け | 1点 | 大陸選手権の本大会, FIFAコンフェデレーションズカップ | 3.0 |
引き分け | 1点 | FIFA Wカップ本大会 | |
負け | 0点 |
対戦国間の強さ(T) | 大陸連盟間の強さ(C) | ||
1位 | 2.00 | UEFA (ヨーロッパ) | 1.0 |
2位~149位 | (200-(相手のFIFAランキング))/100 | CONMEBOL (南米) | 0.98 |
150位以下 | 0.5 | CONCACAF(北中米) | 0.85 |
AFC(アジア) | 0.85 | ||
CAF(アフリカ) | 0.85 | ||
OFC(オセアニア) | 0.85 |
を元に
大陸連盟間の強さの関係を表す係数=(対戦2カ国の定数の合計)/2
この計算式によるとカメルーン(FIFAランク19 位)戦及びデンマーク(FIFAランク36位)戦の勝利のポイントは
カメルーン戦:3.0×4.0×1.81×0.85×100 =1846.2
デンマーク戦:3.0×4.0×1.64×0.925×100 =1820.4
となります。カメルーン戦もデンマーク戦の勝利も獲得ポイントではあまり変わりはないように思えます。これは、大陸連盟間の強さを表す係数によるものです。ちなみに、負けたオランダ(FIFAランク4位)戦のポイントは0で、PK戦で負けたパラグアイ(FIFAランク31位)戦のポイントは
1.0×4.0×1.69×0.915×100 = 618.54
となります。ということで合計4285.14ポイントがこのW杯で得たポイントになると思います。(ちなみに予選リーグで姿を消したフランスのW杯での獲得ポイントは728.64です。) 対戦国の強さのファクターがあるので、上位のものに対する勝利は獲得ポイントを大きくしています。いわゆる価値ある勝利も考慮されているといえましょう。ちなみにこの計算式における試合のポイントの最高値は理論的には2400となります。それは現時点でいえば、UEFAに所属するチームがFIFAランク1位で、そのチームをUEFAに所属するチームがW杯の本選で破ったときに生じます。
要求されている試合数の下限が5であり、FIFAランクが付与されている国が207カ国余りあるので、試合をしない国の組み合わせがかなりあることが分かります。総当たりのリーグ戦ができない状況でのランキングの作成を、試合のポイントの平均値で計算しているのがFIFAのランキングといえましょう。
同様にすべての組み合わせの試合ができない状況下でのランキングの一つにテニスのランキングがあります。こちらは試合での獲得ポイントの積算で行っています。また、トーナメントでどこまで勝ち上がったかによって獲得ポイントが変わります。したがって、ランクを上げるためには、多くの試合に出て勝つことが必要になります。選手にトーナメントへの出場を促すためには効果のあるランキングといえると思います。
対戦がない者のいる集まりにおけるランキングの方法には、サッカーのような平均型とテニスのような積算型があるようです。どちらも長所、短所があるようで、一概にどちらが良いとは言えないと思います。
ランキングは、それぞれの競技の特性に適したものが選ばれているようです。競技の特性がランキングの定義式からもうかがえます。テニスのランキングを調べているときにダブルスに関する個人ランキングがあること気付きました。ダブルスの結果からどのように個人のランキングを出しているのか非常に興味がひかれました。今度はダブルスの結果から個人のランキングの平均型の求め方を考えてみたいと思っています。
2010/04/01
〜同じヒットでも場面で重みは異なる。それを数値化したWPAで選手を評価〜
東海大学理学部情報数理学科 鳥越規央
統計学の中でも現在注力しているのが,セイバーメトリクスを中心としたスポーツ統計学です.セイバーメトリクスとは,野球のデータ解析手法のことです.
野球の本場、米国メジャーリーグでは、データに基づいた選手評価が徹底しています。打率、打点、防御率だけでなく、セイバーメトリクスによって生み出された指標によって合理的に行われています。
とりわけWPA(Win Probability Added)という指標は選手のゲーム貢献度を示す指標として有用です。WPAは選手のプレーがチームの勝利確率をどれだけ変化させたかによって算出し,試合序盤でのヒットと、試合終盤で勝利を決定づけたヒットの違いを定量化する試みであります。勝利確率は、アウトカウントや出塁状況の情報を基に「マルコフ連鎖の理論」を用いて定式化したアルゴリズム(計算式)に、実際の過去の試合のデータを代入して求めます。
このグラフは2009年8月23日の楽天vs.オリックス戦の勝利確率の推移を示したものです。6回裏同点1アウト1・2塁というシチュエーションにおける楽天の勝利確率は0.636ですが,ここで3番打者の鉄平選手が3ランを打ち3点勝ち越しました。その結果6回裏3点差1アウトランナーなしとなり,その状況での勝利確率は0.918にハネ上がりました。これにより鉄平選手は0.282のWPAを獲得したことになります。鉄平選手は残りの3打席で凡打に倒れており、この日の試合WPA合計は0.24でした。4番山崎武司選手と5番草野大輔選手は、同じ5打数2安打でしたが、安打を打った場面の違いによって、WPAに若干の違いがでるのです。
メジャーリーグではこのように選手のパフォーマンスがすべて数値によって評価され、そのデータは、選手の報酬や契約に活用されているのです。さらには、チケットやグッズの販売、テレビ放映権、広告収入などとの関連も数値化し、選手の市場価値を評価しているのです。 こうした選手評価は今後、日本でも徐々に浸透していくと思われます。実際、日本ハムはBOSと呼ばれるスカウティング情報システムを構築し、選手の獲得や育成に活用しています。日本のプロ野球にも、メジャー流のセイバーメトリクスを活用した経営手法が、ますます導入されていくことでしょう。
(週刊東洋経済 2010年3月20日号に寄稿した文章を加筆修正しました)
2009/12/01
東海大学理学部情報数理学科 和泉澤正隆
2009年度東海大学大学院・学部学年暦(湘南校舎)[カレンダー形式]には、 「国民の祝日」が、十八日分記載され、それとともに、本学での休日振替えのため長い矢印が4本記入されている。
月曜日の祝日(海の日、体育の日、勤労感謝の日)3日分と4月29日昭和の日が授業実施日となり、 休日が、5月初旬のゴールデン・ウイーク、11月初旬の建学祭(大学創立記念日)、 12月下旬の冬季休暇開始前に振り替えられている。
年毎に決められる”春分”、”秋分”の二日を除き、祝日の月日は決まっていた。
”元日(1月1日)、成人の日(1月15日)、 天皇誕生日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)、こどもの日(5月5日)、 文化の日(11月3日)、勤労感謝の日(11月23日)” などである。
フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』によれば、
「国民の祝日に関する法律」1948年 の制定時、祝日は九日であり、
その後、
そして、 1998年に、ハッピーマンデー制度が導入され、
(以上、『ウィキペディア(Wikipedia)』の経緯より2009/12/05時点での引用)
ハッピーマンデー制度により月曜日祝日の増加で、 単位認定の基礎となる”15週の授業期間”の確保が難しくなり、 曜日による授業日数調整を大学で独自に行わなければいけない状況になった。 国民の祝日=休みの日とは言っても、 交通機関では、祝祭日の意味の旗日(はたび)[家家が国旗を掲げたから。岩波書店:国語辞典(第六版)]に、 国旗を付け、電車やバスの運転手さんは働いている。
また、この頃、生活様式環境も変わり、コンビニ、スーパーなど小売りをはじめとし、 年中無休や24時間営業の業種に従事している方も休日に働く。 (個人としては、全ての休日に働く訳ではないけれども) 大学での休日振替えを入学した時から体験している学生は、 当たり前のことと思っているようである。 大学にも、時代の変化が入り込んでいるということだろう。