サバティカルからの帰国報告

2019/10/09

オスロ大学における半年間の研究滞在を終え、那須弘和准教授が9月末に帰国しました。那須先生からの報告を掲載します。

東海大学の特別研究期間(サバティカル)制度を利用し、2019年4月から9月までの半年間、オスロ大学(ノルウェー)に研究滞在しました。滞在中は楽しく充実した研究生活を送り、いくつかの成果を得ることができました。滞在の前半ではエンリケス多様体上の曲線の変形障害について研究を行いました。エンリケス曲面上の楕円ファイブレーション(と有理曲線)を用いて、エンリケス多様体上の曲線が変形障害を受け、ヒルベルトスキームが非被約成分を持つための十分条件を与えました。滞在の後半ではノルウェー人数学者のJan Oddvar Kleppe教授(写真)の与えた予想(’87)の解決にむけて取り組みました。この予想は空間曲線のヒルベルトスキームに関する予想で、曲線の2次正規性を仮定すると予想が成り立つことを証明しました。滞在中に得られた研究成果を2本の論文にまとめ、1906.103901909.08452としてarXivにおいて発表しました。論文を仕上げていく過程で、Kleppe教授から直接コメントを頂き、論文をより良い形にまとめることができたのは非常に幸運でした。また機会があればノルウェーを訪れたいと感じています。

高阪研究室にタイからの訪問研修員が滞在中

2019/06/14

高阪研究室にタイから博士課程の大学院生が訪問研修員として二ヶ月間滞在しています。 滞在中には非線形写像列の共通不動点を近似する問題について研究を行っています。 このような研究は凸最小化問題や制約可能性問題と関連があります。東海大学で 数学の研究をさらに深めるとともに、日本文化についても学びたいとのことでした。

オスロ大学に研究滞在中の那須弘和准教授がアーベル賞の受賞記念式典とアーベル講演会に参加しました。

2019/06/07

アーベル賞は数学のノーベル賞とも言われ、顕著な業績をあげた数学者が毎年1名選ばれ送られる国際的な数学賞です。アーベルはノルウェーを代表する数学者で、その名は「アーベル群」や「アーベル多様体」など数学の用語にも広く用いられ、数学科のある建物Niels Henrik Abel Husにもアーベルの名前がついています。

今回の受賞者はアメリカの女性数学者キャレン・アーレンベック教授で、微分方程式、ゲージ理論、可積分系、そして解析学、幾何学、数理物理学など幅広い分野で活躍されている著名な研究者です。女性のアーベル賞受賞は今回が初となります。受賞記念式典にはノルウェー国王も参列し、厳かな雰囲気の中でとり行われました。

翌日のアーベル講演では、アーレンベック教授を含む4名の数学者による講演が行われ、聴衆の1人として講演を楽しみました。アーベル賞は社会における数学の地位向上と子供達や若者の数学への関心を刺激することも目的としており、数学コンテストUngeAbelの成績優秀者の生徒さんも式典と講演に招待されていました。情報数理学科の学生がアーレンベック教授のように若い時にしっかりと知的好奇心を養い、学科の学びを通じ数学と情報の力を身につけ将来活躍することを学科の一教員として願っています。

大西准教授がワイヤレスジャパン2019にて講演

2019/06/06

大西准教授が 2019年 5月 29日から31日に東京ビックサイトで開催されたワイアレスジャパン 2019にて「VRアプリで学ぶ物理学」というタイトルで講演をおこないました.

講演中の大西准教授

物理学実験での手助けをするVRアプリ(2017年度, 物理学科院生らとの共同研究)と放物運動の直感的理解を促すVRアプリ(2018年度, 大学院生の藤井美珠妃らとの共同研究)について, 講演をおこないました.

講演後, 会場内で放物運動のアプリを体験してもらったところ, 多くの方に興味を持ってもらいました.

オスロより 研究滞在報告

2019/05/06

東海大学の特別研究期間(サバティカル)により、情報数理学科の那須弘和准教授が4月から9月までノルウェーのオスロ大学に研究滞在します。研修中の那須先生からの報告を掲載します。
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到着からちょうど1ヶ月が経過しました。ノルウェーというと北欧で寒いイメージがあるかもしれません。到着時の4月初めは気温も氷点下近くになり寒かったのですが、現在は日中は15℃程度で暖かく過ごしやすくなりました。オスロ市内には緑地や公園が多いので、通勤途中や休日に良く散歩し、新緑の木々や色とりどりの花を観察して楽しんでいます。

昨日はこちらオスロ大学のセミナーで講演を行いました。数学のセミナーでは少人数の聴衆を前に、研究者が得られた結果や問題の背景などについて説明します。数学の研究は通常は1人もしくは数人のグループで行うことが多いですが、時には多人数で集まって意見交換や情報共有を行うことが大事とされます。今回の講演ではエンリケス・ファノ多様体と呼ばれる3次元代数多様体上の曲線の変形障害とヒルベルトスキームに関する研究発表を行いました。セミナーにはオスロ大学と近隣の大学のスタッフ、学生、ポスドクなどの約10名の代数幾何学の研究者が集いました。発表後には聴衆から質問やコメントがあり、研究上の刺激を受け楽しく有意義な時間を過ごしました。


オスロ大学のセミナーで講演 する那須准教授の様子

ノルウェーでは公用語はノルウェー語ですが英語を話す人も多く、もちろん研究者同士の交流も英語で行ないます。毎週木曜日のお昼は代数ランチ(Algebra lunch)があり、教員と学生が一堂に会し一緒に食事を取りコミュニケーションを図ります。

今月は数学のノーベル賞とも言われるアーベル賞の授賞式典と記念講演がオスロで開催されるので、機会があればこちらについても報告したいと思います。
それではごきげんよう! ( Ha det bra! )

ノルウェーの研究者達と